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【幸福のUカーブ】

2024-09-30

「幸福のUカーブ」って聞いたことありますか?

米国ジャーナリストのジョナサン・ラウシュが「ハピネス・カーブ」という著書の中で、人の幸福度は18歳から下がりはじめ50歳前後で不幸のピークに達した後に再び上がりはじめて、その軌跡がU字を描くことから「幸福のUカーブ」と言われているようです。

興味深いのは、このUカーブは、先進国でも発展途上国でも、欧米でもアジアでも変わらず、世界で共通の現象のようです。

米国の研究によると、ストレスや心配は、18歳〜21歳と22歳〜25歳の間に急激に上昇し、40歳代後半までは横ばいで、その後緩やかに減少し始めるようです。30歳代、40歳代は仕事や子育ての責任が重くのしかかって来る時期でもあり、50歳代後半からは子育てが終わりストレスが減少すると共に、60歳代以上になると「知恵が増すこと」「高齢者は否定的な記憶より肯定的な記憶を思い出しやすいこと」などの要因により幸福度が上がっていくのではないかと研究者は推測しています。

驚くことに、このような現象は、オランウータンやチンパンジーを含む508匹の類人猿を対象として「幸福度」を調べた2012年の研究でも、中年の時期に幸福度が最低を記録するという、人間と同様のUカーブが見られたそうです。

ということは、この「幸福のUカーブ」というのは人間特有のものではなく、類人猿とも共有する生物学的な部分に起因しているのかも知れません。

人生100年時代と言われ、年金問題や認知症などマスコミが60歳以上の人々の将来に不安や恐怖を与えることを数多く報道していますが、電通総研がまとめた「高齢者のライフスタイルと消費、働き方」によれば、実際には高齢者の70~80%は普通の生活をし、10~20%はそれ以上の生活をしていることが報告されています。

高齢者にとっては、生物学的な観点からも人類共通の「幸福のUカーブ」に従って、幸福度の高い生活が期待できるものと思います。

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