【ヨボヨボ老人と元気ハツラツ老人】
2025-01-31
「人生100年時代」と言われる時代、どうせ長く生きるのであれば、ヨボヨボ老人よりは元気ハツラツ老人であり続けたいと思うのは誰しもが共通するところではないでしょうか?
以前にこのコラムで紹介した日野原重明さん、瀬戸内寂聴さん、三浦雄一郎さん、若宮正子さんなどは、90歳を過ぎても元気に活躍していますし、最近では、2024年の12月にノーベル平和賞授賞式で講演を行った日本被団協の田中熙巳さんは92歳です。
これらの方々は皆特別な人だと思われがちですが、今の日本には100歳以上の人が約9万人もいて、今後も100歳以上の方々は益々増えていくことが予測されています。
元気ハツラツ老人として生きるためには何が必要なのでしょうか?
精神科医で作家でもある和田秀樹氏は、70歳代の過ごし方が特に大事であると述べています。70歳代前半までであれば、認知症や要介護となっている人は1割もいませんが、がんの罹患率や死亡率、要介護になる率、あるいは認知症になる率を見てみると、70歳代で急増しています。
元気に自立して暮らせる「健康寿命」は、2019年時点で、男性が72.68年、女性が75.38年で、ヨボヨボしたりボケたりする高齢者と、元気でハツラツとした高齢者に分かれるのは、まさに70歳代と言えます。
これから益々長くなる老いの期間を元気で健やかに過ごすためには、脳の機能をいかに80歳代以降も保つか、同時に70歳代のときに持っていた運動機能をいかに長持ちさせるかということが大切になってきます。
頭や体を使わなかったときの機能低下は、高齢になるほど激しくなります。
寝込むようなことがなくても、コロナ自粛のように活動的でない生活が長く続くと、足腰がかなり弱って、認知症も悪化してしまいます。
高齢者にとっては、脳機能、運動機能を維持するためには「使い続ける」ということがとても重要で、とにかく動く、とにかく頭を使う。身体と頭を使い続けることによって老化を遅らせることが可能であると和田氏は述べています。
都道府県のなかで平均寿命が長いことで知られる長野県ですが、長野県が長寿県になった理由として様々な推測がされていますが、和田氏は「シニアの就業率の高さ」が要因であると述べています。
これまで長野県は高齢者就業率が全国ナンバーワンを何度も記録していて、2017年の総務省統計局のデータによれば、長野県の高齢者有業率は男性が41.6%で全国第1位、女性も21.6%で第1位です。
また、高齢者1人あたりの医療費も全国で最低レベルだという調査結果もあり、年をとっても元気な人が多いことを裏付けています。
これらのデータを鑑みると、働き続けるほど若々しくいられるということが示唆されますし、私もできる限り楽しみながら働き続けることによって、元気ハツラツな生活を末永く続けて生きたいと思っています。