【90歳以上でも筋肉は向上する】
2025-05-15
人生100年時代と言われるようになって久しいですが、高齢化社会は世界的な問題になってきています。高齢化率の世界トップ3は、日本(28.6%)、ドイツ(21.7%)、フランス(20.8%)で、日本は世界一の高齢化社会になっています。
厚労省が発表している2023年の平均寿命は男性81.09年、女性87.14年、一方、健康寿命の推定値は、男性が72.57歳、女性が75.45歳で、男女共に平均寿命と健康寿命の間には10年ほどの開きがあります。
健康寿命とは、WHOの定義では「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされていますので、多くの人は、健康上の何らかの問題で日常生活が制限されている期間が約10年間もあるということで、多くの人はこの期間をできる限り短くしたいと願っています。
そのための予防策としては、いろいろな専門家が諸説を唱えていますが、最近とても感銘を受けた本に出合いましたので紹介します。それは、今年の4月25日に発行されたばかりの酒向正春(さこうまさはる)氏の「筋肉革命95」という本です。
酒向氏はこの本で、日本の平均寿命と健康寿命の差を縮めるためには、今後は80歳までは緩やかに就労を継続して95歳までは介護状態にならないための予防対策が必要で、これを世界に先駆けて実践し、証明することが高齢化が進む世界への貢献につながると主張しています。
筋肉は鍛えると、筋力や体力と、バランスや関節可動域を保つことができ、90歳以上でトレーニングを始めても筋肉は向上することがわかっているそうで、それを自らが運営するリハビリテーションセンターで立証しています。
今まで、筋肉は高齢化とともに減少していくもので、80歳、90歳という高齢まで筋肉を維持・増強することは不可能ではないかと思っていただけに、この酒向氏の本を読んでとても勇気づけられました。
筋肉を鍛えるというと、とても高齢者では無理だと思ってしまうのですが、酒向氏の方法は、一人一人の年齢や健康状態に合わせた無理のないプログラムを作って、誰でも楽しく継続して筋肉を鍛えることができるようです。
更には、骨の強化やストレッチによる柔軟性の強化、食事や睡眠、趣味や気の合うメンバーとのコミュニケーションなどといった日常の生活習慣を改善することによって、認知症予防も図るという総合対策も行っていて、95歳でも非介護となる高齢社会を実現し、それを世界に広めて貢献していきたいというビジョンを持っています。
酒向氏は、さらに103歳でもリハビリテーション医療の活動で社会貢献が実践できることを証明したいとも述べていて、私が尊敬する聖路加国際病院の名誉院長である日野原重明氏と重なりました。
日野原氏は、ご存じのように105歳で逝去するまで生涯現役を貫き、「生活習慣病」という言葉を最初に提唱し、予防医療や生活習慣病の啓蒙、そして「新老人」という概念を広め、高齢者が社会に貢献するモデルとなった方です。
私は、可能な限り現役生活を続けて生きたいと思っているのですが、酒向氏のこの本に書かれているサコーメソッドを実践し、微力ながらも酒向ビジョンに貢献したいと思っています。