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【食べる投資という考え方】

2024-08-31

満尾正氏の「食べる投資」という本を読んで、改めて「最大のリターンを得る投資は食事である」ということを学びました。

人生の中で健康が最も大事であることは誰もが認めるところですが、そのことを日常生活の中で常に意識している人は少ないと思います。

健康のために大事な要素は、心、食事、運動ですが、その中で最大のリターンを得る食事について考えてみました。

私が2017年に米国の健康予防医学の権威であるDr. Isaac H JonesとDr. Matthew Accurso から世界最先端の予防医学を学んでいる時、師匠の一人であるDr. Mattが来日して箱根で3日間の合宿が行われました。

合宿の前日に来日したDr. Mattは、アシスタントにコンビニに行きたいと言ったところ、アシスタントも気を使って健康に配慮した商品を扱っている成城石井に連れて行ったようです。ところがDr. Mattは、いろいろな商品を見て「ここでは買うものがない」と言って、何も買わなかったようです。理由は、各食品の成分や添加物の表示が十分に記載されてなく、安心して食べられるものがなかったからとのことでした。

この話を聞いた時、私はとても衝撃を受けました。Dr. Mattに限らず、健康に気を付けている人たちは、自分が食べる食材はどのようなもので、どのような添加物が使われているのかをチェックするのは当たり前になっているようです。

良く事例に出される「食べるプラスチック」と呼ばれるトランス脂肪酸は、マーガリンやケーキなどに使われるショートニング、植物性油脂に多く含まれています。

WHOは2023年までにすべての国で、このトランス脂肪酸が食品から排除されることを目指した「REPLACE」イニシアティブを2018年に発表しました。米国では、2018年以降トランス脂肪酸を含む食品の製造は禁止され、欧州も2019年に食品に含まれるトランス脂肪酸は総脂肪の2%以下に制限する規制を定めました。

このように多くの国がWHOの目標に向けて規制を進めている中で、日本はトランス脂肪酸の使用削減を推奨こそすれ、規制にまでには至っておりません。むしろトランス脂肪酸を擁護する説明文が日本のネット上では多く掲載されています。

また、各国で義務づけられている食品成分表示には、トランス脂肪酸と含有量が義務づけられていますが、日本ではトランス脂肪酸と含有量の表示は任意で義務付けられてはおりません。

これはほんの一例ですが、日本では多くの食品成分と含有量が表示されておらず、消費者が健康に良いものかどうかを判断することができず、また我々消費者も判断するための知識もない、というのが現状です。

日本中どこにでもあるコンビニは、字のごとくとても便利で、そこで扱われる食品も添加物等で工夫され益々美味しくなって(感じて)います。しかし、どのような添加物をどの程度使っているのかの表示はありません。

コンビニの使命は、安くて美味しく、多少でも日持ちのする食品を提供することによって利益を出すことなので、ヒトの健康に大きな問題がない限り二の次になってしまうことは当然だと思います。

大事なことは、現在の日本はそのような食環境にあることを良く理解した上で、食品知識を学び、自分なりの生活環境の中で、自分への投資として食べる物を選ぶことだと思います。

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