apc株式会社

APC株式会社

【長寿の秘訣】 

2025-03-15

どうすれば年をとっても元気で生き生きと過ごせるのか。

先のコラムで平均寿命が長いことで知られる長野県では、「シニアの就業率の高さ」が平均寿命が長い要因の一つとして考えられ、働き続けるほど若々しくいられることが示唆されたと述べました。

昔は還暦と言えばリタイヤして年金生活をする人が多かったと思いますが、令和6年版の高齢社会白書によると、60~64歳の男性の就業率は84.4%、女性は63.8%、65~69歳の男性の就業率は61.6%で、女性は43.1%、70~74歳の男性の就業率は42.6%、女性は26.4%となっていて、男女共に60歳以上の人でも働く人が増えてきていることが良くわかります。

最近は、元気な高齢者を身の回りでもテレビでも多く見かけるようになってきていますが、社会情勢の変化に伴い、60歳以上でも就業する人が多くなってきているのが要因であると思います。

健康長寿を伸ばすために必要なキーワードは、「コミュニティ」(社会との繋がり)、「食事」、「運動」と言われていますが、その中でも、私が最も大事だと思うのは、「コミュニティ」(社会との繋がり)だと思っています。

テルアビブ大学の医学および神経科学の教授でもある医師のシャイ・エフラティ(Shai Efrati)氏は、ビジネスインサイダーの記事で、「長生きしたい患者へのアドバイスは、リタイアしないことだ」と語っています。

また2019年に、51歳から61歳の6985人の患者を対象にした調査研究でも、人生に対する強い目的がある人は、16年から18年後の追跡期間に亡くなることが少ないことがわかり、論文の著者たちは、人生の目的意識が幸福につながり、炎症レベルの低下とも関連していると述べています。

今、若者の間でFIRE(Financial Independence, Retire Early)、すなわち「経済的な自立と早期リタイアを目指す」ことが注目を集めていますが、私はFIREはどうかと思っています。経済的な自立はとても大事だと思いますが、早期のリタイアは健康にとってはむしろマイナスだと思います。

実際にFIREした多くの人が再び社会復帰をしているのは、生きがいがなくなってつまらなくなってしまったという人が多いためで、やはり人生には刺激や生きがいが必要です。

そのためには、「コミュニティ」(社会との繋がり)を大切にし、できる限りリタイアしない生き方が長寿の秘訣ではないかと思っています。

«

»