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【砂漠の中のドバイとアブダビ】

2025-11-21

今まで欧米には行く機会が多かったのですが、中東にはまったく縁がありませんでした。

今回、娘の友人がアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに住んでいることが縁で、シンガポール経由でドバイ、アブダビに行ってきました。

ドバイは、世界中から多くの金持ちが集まり、豪華絢爛な建物や多様なサービス業、商業が発展し洗練された都市でした。

またアブダビは、アラブ首長国連邦(UAE)の首都ですが、ドバイから約100 km、車で2時間程度のところに中心部があって、ドバイにはない「石油」「首都」という武器と「圧倒的な富の蓄積」があって猛烈に発展を進めていて、そこらじゅうで建設が進んでいました。

ドバイからアブダビには車で移動したのですが、周りは砂漠だらけで、砂漠の中に各々の都市が点在しているという感じでした。

アブダビに住む娘の友人の話では、ここの住民のアブダビ人はわずか10%程度で、90%の人はインドやパキスタンから来た外国人だそうです。そしてわずか10%のアブダビ人は皆大金持ちで、メイドを7~8人も雇うほど大きな家で生活をしていて、国が仕事や教育、医療、生活の一切の面倒を見るシステムになっていて、一生安泰な生活が国から保障されているようです。

我々からすれば羨ましい限りですが、そんな恵まれた過ぎた環境のために若者の生きるモチベーションが低下していて、そのことがこの国の大きな問題になっているとのことでした。

1年に数日しか雨が降らない環境のため植物のほとんどは、張り巡らされた排水管からの給水で生存しています。また、6~9月の夏季シーズンは暑過ぎて外に出ることはできないためエアコンの効いた屋内で一日中生活をしているようです。

石油しか資源のない国が、どうしてこのように発展しているのか、とても不思議に思っていたのですが、それはUAE建国の父、シェイク・ザイ―ドの哲学にその源があるようです。

ザイ―ドの有名な言葉に「富はお金や石油ではない。真の富は、国民そのものである」という趣旨のメッセージがあります。彼の言葉として有名なのが、

「国民はこの国の本当の宝だ」「石油はいつか無くなる。しかし国民は成長し続ける」

というもので、石油収入を「教育」「医療」「インフラ」「社会福祉」に積極投資したのは、ザイードの哲学から来ているようです。

私のアブダビ滞在中は、丁度、韓国の大統領が国賓訪問をしている時と重なっていて、両国の国旗や韓国大統領歓迎の看板があちこちにあり、国を挙げて歓迎していることが伺えました。

今回の韓国大統領のアブダビ訪問は単なる表敬訪問ではなく、韓国とUAEが未来志向(AI、宇宙、核、医療など)の分野で 戦略的な協力関係を強化する重要な外交イベントと位置づけられているようで、韓国もこのようなUAEの潜在能力に期待をしているのだと思いました。

せっかくの機会なので、世界的にも7つ星ホテルとして認知されているアブダビのエミレーツパレスに行って、荘厳な宮殿の中で有名な金箔入りのカプチーノを頂いてきましたが、最後までミルクの上に描かれた絵は全く崩れることはなく、視覚的にも美味しく味わうことができました。

初めての中東訪問は、自然環境に恵まれた日本では想像のつかない石油が生んだ新しい世界でしたが、単なる富だけでは「生きがい」は得られないということを、改めて認識する機会でもありました。

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