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【未来の食事】 

2026-01-30

今年も受験シーズンに入りました。

京都精華大学入試の小論文は、宮城大学の石川伸一教授の著書「食べることの進化史」から出題され、テクノロジーの進化で激変しようとしている食の未来は、私たちにとってバラ色なのか、という記事が1月29日の朝日新聞朝刊に掲載されました。

SF作品ではチューブや錠剤を飲めば栄養が満たされる場面が描かれています。既に細胞やプランクトンを培養して人工的に食材を作り出し、そうした食材カートリッジを備えた3Dプリンターで、個人の健康状態や好みに合わせた食材を自由に加工することもテクノロジーの進化により現実味を帯びてきているようです。

現に加工食品や冷凍食品の技術は目を見張るものがあり、レンジでチンするだけでかなり美味しい食事ができる世の中になってきています。

しかし食事の美味しさは、食材や調理法だけで決まるのではなく、食べる人の好みや、食べる人のその時の感情や生理的な状態、食べる場所の照明や温度、食習慣など「食べる環境」にも影響されるとも言います。

この記事を読んで、食に係る過去の体験を思い出しました。

日本がバブルで絶好調の時、仕事の関係で高級料亭やレストランで食事をする機会が多かったのですが、食事を美味しく感じることは少なかったです。むしろ、気の合う仲間と安い居酒屋でワイワイガヤガヤと飲み食いする方がよっぽど美味しいと感じたものです。

ある時、京都の有名な料亭で、どの器もとても凝っていたので、板長に素晴らしい器ですね?と聞いたところ、「自ら全国を回って、好みの器を探して買ってくるんですよ。いい器を使うと、その器に負けない料理を作ろうと、モチベーションが高まるんですよ」と言っていたのが今でも印象に残っています。

飲食店の評価でミシュランの星が有名ですが、その星数の基準は

★★  :遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理

★★★:そのために旅をする価値がある卓越した料理

というのが定義のようで、「料理そのものの質」だけを評価して決められ、内装や接客、値段の高低は星の数には直接関係しないそうです。

料理の美味しさというのは、この記事でも触れているように、食べる環境が大きく影響していて、特に私は誰と一緒に食べるのか、というのが一番大きなウエイトを占めていて、これから益々テクノロジーが進化しても変わらないと思っています。

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