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【新通貨1万円に使われた渋沢栄一】

2024-07-15

2024年7月3日から新紙幣の流通が始まり、新1万円札には渋沢栄一の肖像が使われています。過去の1万円札の肖像は、聖徳太子や福沢諭吉と言った誰もが知る日本を代表する人物が肖像に使われていることからして、渋沢栄一もそれなりの人物だとは思うのですが、2021年のNHKの大河ドラマで取り上げられるまでは渋沢栄一がどんな人物なのかは良く知りませんでした。

調べてみると、一代で500社もの大企業をつくるという偉業を成し遂げ、日本の資本主義の父とも言われている方のようです。

日本は世界に例のない長寿企業大国で、創業200年以上の会社は、世界で2129社しかない中で、日本にはその内の半数以上の1388社が存在すると言われています。

その理由は、古来から受け継がれてきた学問にあると日産グローバル株式会社代表取締役の徳山暉純氏は言います。

中国から伝わった儒教、陰陽五行・老荘思想の中国哲学、インドから伝わった仏教に由来するインド哲学、それを日本古来の神道を中心とする日本精神と矛盾のない形で融合させ学問として完成させたのが聖徳太子とのことです。

この学問は、皇室や公家に受け継がれ、足利学校を通じて武士道となり、明治維新では、吉田松陰が松下村塾でこの学問を教え、その門下生(高杉晋作、木戸孝允、伊藤博文、井上肇など)たちが新しい日本を指導したことは有名な歴史になっています。

この中の井上肇の右腕になったのが渋沢栄一です。

明治時代までは、商人は教養もなく身分の低い者とみなされてきましたが、渋沢栄一は高いモラルと見識の向上によって商人ではなく実業家という新しい身分を確立しました。

マネジメントの第一人者と言われているピーター・F・ドラッカーは、「経営の社会的責任について論じた人物の中で、渋沢栄一の右に出る人を知らない。彼は世界の誰よりも早く経営の本質は「責任」であることを見抜いていた」と渋沢栄一を絶賛しています。

そして、次世代の経営幹部育成の場として、渋沢栄一は一橋大学の建学に関わり実業界を中心に多くの人材を輩出させ、福沢諭吉は慶応義塾を創設し、同じく実業界に多くの人材を輩出しています。

これらの歴史を振り返ると、日本の1万円札の肖像に使われてきた聖徳大使、福沢諭吉、そして渋沢栄一は、日本古来から受け継がれてきた学問を確立・発展させてきた人物であったことを改めて理解することができました。

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