【カロリーに対する誤解とは?】
2022-04-22
カロリーを取り過ぎると太るので気をつけましょう。
カロリーを多く摂取した時は、運動をしてカロリーを消費するようにしましょう。
私は長い間、カロリーについては、このように理解していましたし、多くの人も同じように理解している人が多いのではないかと思います。
そもそもカロリーとは”熱量”を表す単位で、具体的には、1kcal(キロカロリー)は水1リットルを1℃上昇させるのに必要なエネルギーの量です。すなわち、1cal は1ml(1cc:小さじ1/5杯分)の水の温度を1℃上げるためのエネルギー量です。
食物のカロリーは、ヒトが仕事をするために必要なエネルギーの量を示していて、太る/痩せるとは直接的な関係はないのです。
最近では、良心的?なファミレスなどでは、メニューの商品にカロリーが記載されていて、とても親切ですね。
例えば、マックの新製品「厚切りスパイシーベーコンてりたま」は619Kcalと記載されています。
では、このマックのてりたま1個の619Kcalを消費するためには、どれだけの運動量が必要なのでしょうか?
プロポーションアカデミーが公表しているデータによれば、以下の運動をすべて合計して622Kcalを消費するとされています。
・ジョギング30分(210Kcal)
・散歩30分(80kcal)
・自転車15分(80kcal)
・階段を5分上る(32Kcal)
・縄跳び10分(100Kcal)
・ショッピング60分(120Kcal)
すなわちマックの「厚切りスパイシーベーコンてりたま」1個分のカロリーを消費するためには、これだけの運動量が必要ということです。
愕然としませんか?
確かに食物のカロリー表示は、どの食物を食べればより多くのエネルギーを補充できるかという目安にはなりますが、それを食べた人がどれくらいのエネルギーに変換できるのか、またその摂取したエネルギーをどのくらい使用できるのかについてはわかりませんし、そのエネルギーがどの程度脂肪になって体に蓄積されるのかもわかってはいないのです。
私たちが健康でエネルギッシュな生活をするためには、適切な量のカロリーを摂取する必要があります。しかし、その人に合った適切なカロリーの量は人それぞれ異なりますので、それを判断するためには、食生活を含めた各々の日常生活の中で、毎日体重を測って増減を確認しながら調整する以外に方法はないのです。
現代社会では、「健康のためにはカロリーは控えめに」という考え方が浸透していますが、それは食品業界にとってメリットが大きいからです。なぜかと言えば、低カロリー食品ほど原価を安くでき、健康的にも良いイメージを高められるので、高価格で売れるからです。
さらに具体的な話をすれば、低カロリーの物ほど原価は安いので、売り手側としては低カロリーの物のイメージを高めて高く多く売った方が得をするという訳です。
極端な話、水で薄めれば薄めるほどカロリーは低下して、価格は高くなるという事です。食品業者としては、こんなに美味しい話はありません。
つい最近、牛丼業界のマーケティング戦略で担当役員が大きな批判を浴びましたが、多くの企業は利益を最優先で考えますので、私たちは企業に洗脳されないよう気を付ける必要がありますね。