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【認知症予防の特効薬】 

2025-09-03

日本の認知症総数(軽度認知障害を含む)は、厚労省の2022年の推計では2040年には1197万人になると報告されています。2040年の日本の総人口は 1億1,283.7万人と推計されていますので、約10%の方が軽度以上の認知障害を抱えるようになるということです。

人生100年時代と言われる中で、このように認知障害を抱える人の割合が多くなることを想定して、経産省は認知症になっても自分らしく暮らし続けられる「共生社会」の構築に向けて2020年にオレンジイノベーション・プロジェクトを発足させました。

このプロジェクトでは、認知症の方々の意見も聞きながら、関連企業と共に認知症の方々に対してより良い製品・サービスを生み出す仕組みづくりに取り組んでいます。

高齢化社会のトップを進んでいる日本が、このような取り組みを進めることによって、高齢化社会の在り方について世界におけるリーダーシップを発揮できるものと期待しています。

一方では、認知症の予防対策も大事な取り組みだと思います。

以前、オーストリアの国営放送のインタビューを受けた際に気付いたことは、オーストリアの平均寿命は81歳、健康寿命は65歳でその差はなんと16年もあることがわかりました。そこで主な欧州の独、仏、英、伊についても調べたところ、この差は同じように16~18年もあることがわかりました。

日本では男女ともにその差は約10年と言われていて、長い間ずっと変わっておりません。

では、日本と欧州では何故このように大きな差があるのかというと、医療環境やライフスタイル、公的な介護福祉体制、引退する時期の違いなど諸説はあるようですが、私は日本では65歳以上でも働く人の割合が多いことが大きな要因ではないかと思っています。

元気に老後を過ごすためには、特に男性は65歳以上になっても欧州のように引退はせずに、無理のない範囲で仕事を継続し続けることが必要だと思います。

その裏づけとして、日本では高齢者の就労率の低い都道府県ほど老人医療費が高く、高齢者の就労率の高い長野県は一番医療費が低いこともわかっています。

長年高齢者医療に携わっている精神科医の和田秀樹氏は、最新の著書『80歳で体はこう変わるからやっておきたいこと』の中で、年をとっても働き続けることは、健康長寿の秘策で、現役でいることこそ、頭にも体にも効く特効薬なのです、と述べています。

私もまったく同感です。

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