【ネットフリックスのNo Rules】
2024-03-14
ネットフリックスは、受賞歴のあるドラマ、映画、アニメ、ドキュメンタリーなどの幅広いコンテンツを配信するストリーミングサービスで急成長をしています。
その理由として、オリジナルコンテンツの投資、グローバル展開、柔軟な料金体系、モバイル対応などが言われていますが、これらの革新的な戦略が立案・実行されたのは、「No Rules」というネットフリックス独自の企業文化が長い時間をかけて試行錯誤されながら形成されたことが背景にあると言われています。
私は長い間、日米欧の製薬会社で仕事をしてきましたが、各社の企業文化は各会社ごとに異なりますし、日本、米国、欧州といった地政学的な面でも文化が大きく異なっていることを肌で感じることができました。
会社の組織は、社員が多くなればなるほど様々なルールが作られていき、安定感のある組織になっていきますが、最終的には大企業病と言われるような柔軟性や迅速性に欠ける組織になって硬直化し、優秀な社員ほどやる気がなくなってしまう体制になりやすいことも経験してきました。
特に意思決定プロセス、様々な承認プロセス、経費や休暇、出張の規定、目標管理制度や業績評価、契約書への署名など、様々な業務が規定され、多くのマネジャーはこれらの規定に従ったマネジメント業務に多大な時間を使うようになります。
このような管理業務をできる限り少なくできれば、仕事はもっと生産性が高くなるのにと思っている経営者や管理職が多くいるにもかかわらず、一度出来上がった仕組みを変えることは容易ではないことも事実です。
ネットフリックスはNo Rulesで、「世界一自由な会社」と謳っていますが、ネットフリックスの業務は、ミスをしても社会的に大きな問題が生じない分野が多く、厳選されたクリエイティブで自立した優秀な社員だけの組織(少数精鋭)に徐々に編成できたことが大きな要因になっているようです。
少数精鋭で組織されたネットフリックスの「No Rules」の成功例は、これから生成AIが益々活躍する社会へと変化していく中で、多くを占める一般的な若者たちが、どのように社会に貢献して行けば良いのか、とても考えさせられる事例だと思います。